マンション管理の新しい手法 その4
※さて、皆さんは、前回の提案内容をご覧になって、「なるほど、確かに、そのとおりだな。」と、素直に理解し、実行しようと思えたでしょうか?
おそらく、多くの方は、
「なぜ、攻撃をしてきた相手を守るようなことをしなければならないのか?」
「組合の恥を公表する必要は、本当にあるのか?」
などと、疑問を感じたのではないでしょうか?
実際、私が、このような提案をした時、理事長さんから、上記の質問をされることがありました。今回のポイントは、まさに、そこにあります。
第3回「相手を守り、都合の悪いことを公表する」
これらの提案に対し、Bさんから質問がありました。
なぜ、Aさんを守るようなことをしなければならないのか?
過去の経緯を詳しく正直に書くことは、組合の恥をさらすことになるのではないか?
私は、以下のように答えました。
誰かを攻撃することは反撃の原因を作ってしまうし、全区分所有者からは、個別の争いに見えてしまう。だから、どこからみても、Aさんを守っていると感じられるように進める必要がある。
それから、過去の恥や都合の悪いことを正直に書くことは、隠蔽体質がないことをアピールし、理事会の信頼を高める。そして、その信頼が総会決議へつながる。
Bさんたちは、かなりの不安を感じてはいたものの、他に有効な対策がないこともあり、上記の方法を誠実に実施してくれました。
ある程度、まとまった段階で、管理の基本原則に関する勉強会が開かれました。
そして、賛同してくれた数名の区分所有者が中心となって、マナー、コミュニティ、住民相談対応などの委員会が設置されたのです。
これらにより、「全員で協力する」「情報を開示する」「透明性を確保する」「間違いを責めない」「どちらが正しいかではなく、どちらも正しいと考える」「結果ではなく、プロセスを重視し、評価する」「言葉のひとつまで確認する」等、重要な内容を多くの人が理解していきます。そして、多くの区分所有者は理事会がAさんを責めない本当の理由を知り、納得するようになります。
また、議論や交渉の基本は、仕事、親子の対話、地域のコミュニティ、学校のPTA等、多くの場面で共通し、そのスキルが役立つため、マンション管理の勉強をすることが生活全般に役立つことを区分所有者たちが理解するようになります。
さらに、同じマンションの住人同士が仲良くなり、コミュニティを形成していくことにより、日々の生活が楽しくなっていきます。
同時に、人のつながりによるセキュリティーも高まります。なぜなら、区分所有者同士が仲良くなり、笑顔であいさつを交わすようになったからです。悪いことをする人たちは、仲良しや笑顔を嫌います。そういう場所では、連携プレーにより、悪さがすぐに知られてしまうからです。同時に、それは、対立がエネルギーを分散し、浪費するのに比べ、協力がエネルギーを集中し、相乗効果を生み出すことを多くの区分所有者が理解するようになります。
※ご理解頂けたでしょうか?
文章だけでは、実感しづらいかもしれませんが、実際に、やってみると、その効果に驚きます。私からすると、不思議なくらい、このような方法を採用している管理組合はなさそうです。しかし、だからこそ、その効果が大きいのかもしれません。
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管理費が高いが、詳細の検討方法がわからない
毎年実施の雑排水管清掃に協力してくれない住戸がある
管理費の滞納がある
騒音問題がある
ペットに関する問題がある
マナー違反に関する問題がある
ゴミの分別をしない住民がいる
駐車場の使用細則を守らない住民がいる
バルコニーでタバコを吸う住民がいる
修繕積立金が不足している
など、これまで300組以上の皆様のご相談に対応した経験を活かして、様々なお悩みにお答えしております。
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